2026年09月28日(月)

ご出演 気高電機株式会社 専務取締役 羽馬由和さん
気高電機株式会社は鳥取市に本社工場および鹿野工場を置き、創業58年目を迎える電機メーカー。大手メーカーブランドの炊飯器、加湿器、美容機器、医療機器などの製品設計から組み立てまでを担う「ODM事業」を展開しており、大手企業約20社と取引を行っている。拠点は国内2工場と中国・深セン工場の計3拠点があり、従業員数は国内310名、中国450名の合計760名。
中東情勢による物流網の混乱や円安の影響で資材調達の難航・価格高騰が続いており、開設から30年が経つ中国工場でも人件費や材料費が上昇するなど厳しい状況に直面している。これに対し、日本と中国の両工場間で技術交流を深め、コスト改善プロジェクトを推進している。価格転嫁交渉においては、単なる値上げ要請では顧客の製品価格上昇による注文減という悪循環を生む恐れがあるため、データを提示して主張の根拠を明確に示すとともに、設計・製造面でのコストダウン提案をセットで行うことで顧客への影響を最小化する工夫を行っている。
物価上昇から従業員の生活を守るため、賃金アップに取り組んでいる。限られた原資の中で、同業他社の水準や物価上昇分に配慮しつつ、年齢別の賃金カーブを踏まえた賃上げを実施。さらに新卒採用の初任給見直しなど全体の公平性を重視した改定を行っている。持続的な賃上げを実現する「稼ぐ力」を高めるため、現場での生産性向上を図るほか、AIを活用した間接部門の合理化や付加価値の高い業務へのシフトを進めている。
同社の最大の強みは、製品設計から金型設計、部品加工、資材調達、組み立て、品質保証までを社内で一気通貫して対応できる体制にある。社内各部門が連携して顧客の課題解決に技術提案で応えることで、高い信頼を得ている。さらに直近では、社長を中心に若手メンバー14名による「AI・DX活用推進チーム」を発足させ、製造業とAIを掛け合わせた新たな付加価値の創造や、補助金を活用した業務フローの再構築に取り組んでいる。また、自ら課題を発見・解決できる人材育成制度を導入し、社員が誇りを持って働ける環境を整えている。
今後の目標として、県内の中小企業が成長して地域の雇用を生み出し、社員とその家族の生活を支えることが重要であると考えており、改めて自社の企業価値を見つめ直し、「顧客にとって魅力ある企業を目指して社員と共に成長していく」ことを掲げる。
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