
JR西日本、伯備線の特急「やくも」は運転開始から50周年。
1972年の運転開始時はディーゼル特急として、また1982年の電化以降は電車特急として親しまれてきました。
その特急「やくも」50周年を記念して19日、国鉄時代の車体の色に塗り替えられた特別車両の運行がスタートしました。
鉄道ファンの記者も大興奮の、リバイバル「やくも」の魅力とは・・・
19日午前8時16分、鳥取県米子市のJR米子駅に到着したのは旧国鉄時代の懐かしいクリーム色に塗装された、特急「やくも」。
50周年を記念した、国鉄色のリバイバル車両は6両編成で1日上下4本(やくも8・9・24・25号)運行されます。運行終了日は、未定です。
19日は米子駅の1番乗り場で、鳥取県の平井伸治知事らが参加して記念セレモニーが行われました。
平井知事は、「ようこそ山陰の鉄道の都・米子へ」と、鉄道ファンらを歓迎。
セレモニーにはJR米子駅の初代駅長を務めた、山口眞佐実さんも出席し。
1987年(昭和62年)3月31日の国鉄最後の日を迎えるまで使用していた、駅長の制帽を現・陰山健二駅長に贈呈しました。
山口さんは「この帽子には百有余年にわたる国鉄の歴史と伝統と誇りが詰まっている。
これを機会にJR米子駅が地域に愛され、にぎやかに発展してほしい」」と挨拶しました。
そして、午前8時16分。
小雨の中、米子駅1番ホームに旧国鉄時代のクリーム色に包まれた、特急「やくも」が入線。
ホームに集まった、多くの鉄道ファンが一斉に切るカメラのシャッター音が響き渡りました。
長年の鉄道ファンという男性は「姿を見た瞬間、こみ上げるものがあった。有り難いの一言に尽きる。自分たちも乗って今後も貢献出来たらと思う」と、興奮しながら語っていました。
そして、8時19分。平井知事や伊木隆司米子市長ら関係者が出発の合図を出し、特急「やくも」は目的地へ向けて出発しました。
これに先立ち17日、米子市にあるJR後藤総合車両所で取材をした、筋金入りの鉄道ファンである、BSSの入江直樹記者は・・・
入江直樹記者
「入って来ました。うーん、僕の世代には懐かしい。やっぱりこの色ですねえ」
40年前(1982年)の伯備線の電化でそれまでのディーゼル特急に代わりデビューした電車特急「やくも」号です。
入江直樹記者
「鉄っちゃん的には、その車両がデビューした時の色が一番似合うという確信があるんですね」
台車の真ん中に左右に動くコロが入れてあることで、カーブを通過するために車体を傾けてスピードアップできます。
車体はJRになってから様々に塗り替えられてきましたが、昔の色は鉄道ファンらの根強い人気があり、同様に私鉄でも塗装を復元して走らせる人気ぶりです。
JR西日本山陰営業部 足立 智 観光開発副室長
「(電化から)40年という節目になりますので、長年の活躍に感謝の気持ちを込めて塗り替えました。今の若い人にとってはレトロな雰囲気での旅ということになりますので、幅広い方にご利用頂きたい」
「やくも号」用の381系は、いまや国鉄が造った特急電車の全国唯一の生き残り。2024年春以降の「やくも」新型車両導入を機に引退が決まり、国鉄時代を懐かしく感じる中高年からJR世代の若者まで幅広く注目する存在となっています。
この国鉄色編成が呼び水となり、JRの乗客増加につながることが期待されます。