第634回 山陰放送番組審議会(書面審議) 2022年10月6日
<議題>
「TBSを中心とする全国ネット番組」について
1.報道・ニュース・ドキュメンタリー番組
2.情報系番組
3.ドラマ番組
4.バラエティ・その他番組
(書面開催)
<委員の主な意見>
1.報道・ニュース・ドキュメンタリー番組
『報道特集』
・硬派なテーマを扱い、最近の旧統一教会問題のキャンペーンが政局報道に偏りがちな他と一線を画すなど、地に足ついた報道を続けていると思う。金平キャスターの起用法変更がネット上などで物議を醸しているようだが、外野の声に振り回されることなく初志を貫く姿勢を保ってほしい。
『世界遺産』
・日曜の夕方、早めに帰宅した際の憩いの番組。美しい画像と杏のナレーションで気持ちが安らぐ。映像の素晴らしさと知的な解説が質の高い番組として完成度が高い。日曜日のこの時間に放送するのに意義があり、子供達にぜひ見てもらいたい番組。
『情熱大陸』(MBS制作)
・スポットが当たった人達の魅力や素顔、思いや情熱などがとてもよく伝わり、その人の「ほんのちょっと右上がりの今」を感じる事が出来る気がする。出演されている方たちはどの方も「今を懸命に生きている人」であり、そういう人は人に希望を与えてくれるので、これからもそこは変わらず同じテーマを貫いて欲しい。
2.情報系番組
『THE TIME,』
・総合司会の安住紳一郎氏は、とても受け答えが上手で感じがいい。同時間のニュース番組、情報番組と比べると、ゆったりした作りになっている。アナウンサーの話す速さも、他局と比べ遅めを意識しているように感じる。
『ラヴィット!』
・コロナ、旧統一教会等注目の情報はどの局も朝から夜まで同じような情報を繰り返して流しており、同じような情報源の内容を流していることに辟易としている時に、全く異なる切り口の情報番組であるため、選択肢として価値がある。
『ひるおび!』
・1つの事件や問題について、深く掘り下げ、30分以上の時間を割いて専門家とともに解説していく構成は、普通のニュース番組とは一線を画し、この番組の価値となっている。解説陣も、芸能人ではなく専門家が入っているのが良い。
『新・情報7daysニュースキャスター』
・総合司会がビートたけしさんから三谷幸喜さんに代わり、番組全体が落ち着いた印象になった。1週間のニュースを土曜日に振り返る機会になっていることに加え、特集やFOCUSのコーナーもあり、新しい情報のインプットに繋げることもできる。
『サンデーモーニング』
・高年齢化の進む解説者とのバランスを図るために、若手の有識者を混ぜるなど制作側の意図及び努力が垣間見られ、全体として日曜の朝視聴の安定・安心感のある番組となっている。
『健康カプセル!ゲンキの時間』(CBC制作)
・雑誌のインデックスのように、問題点からその原因、解決方法という流れがわかりやすい。坂下千里子さんの率直で的を射たコメントが気持ち良い。
3.ドラマ番組
『妻、小学生になる。』
・死んだ妻が小学生として生まれ変わる(小学生に憑依する)というあり得ない設定であるが、毎田暖乃が妻石田ゆり子のような口調でのせりふまわしと、小学生に戻ったときのたどたどしい話し方を使い分けていることに演技力を感じる。このドラマの魅力を高める大きな存在となっている。身体はなくなってもその人の思い出は心の中でいきいきと鮮やかに生き続けていることを再確認させてくれる心温まるドラマになっている。
『石子と羽男‐そんなコトで訴えます?』
・人間臭いエピソードがテーマだが、法律というものが実は人間臭さの上に成り立った約束事であり、そのような法律を使うことで身近なトラブルを解決していく点に痛快さが感じられたと思う。
4.バラエティ、その他番組
『バナナマンのせっかくグルメ!!』
・地方の美味しいグルメ紹介による地域創生として、成功している番組の一つと思われる。バナナマンのMCは好感が持て、安心して視聴できる。また、素人地域住民の魅力も上手く引き出している。紹介された店には県外からの来店客が大幅増加するようで、全国放送で地域を紹介し活性化に貢献している貴重な番組。
『7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート』
・美味しいもの・美しい海・笑いと、お役立ち情報というよりもリゾートの楽しさを伝えることに専念しており、リラックスして楽しめた。
『ZOO-1グランプリ』
・芸をする動物や動物の子供達を見ることで生き物の愛らしさが伝わり、人間の子供達に命の尊さが伝わる貴重な機会だと思われる。
『マツコの知らない世界』
・いろいろな分野の専門家の出演で、新しい物の見方を知ることが出来学びが多い。マツコさんの会話で、出演者のマニアックな知識を上手く引き出されている。
【書面による出席】
委員長 上田恭己
副委員長 足立珠希
副委員長 木村隆之
委 員 尾﨑米厚
委 員 長岡秀樹
委 員 山口美紀
委 員 吉岡佐和子
委 員 吉田博紀