第626回 山陰放送番組審議会 2021年10月13日
<議題>
「TBSを中心とする全国ネット番組」について
1.報道・ニュース・ドキュメンタリー番組
2.情報系番組
3.ドラマ番組
4.バラエティ・その他番組
山陰放送 大会議室 (リモートによる開催)
<委員の主な意見>
1.報道・ニュース・ドキュメンタリー番組
『Nスタ』
* JNNを代表するロングラン番組であり、極めて安定した進行でキャスターの「ホラン千秋」氏の対応力も良いと感じる。全国ネットで放送される地方のトピックスの取り上げ方も的確で好感度が高い仕上がりだと思う。
『世界遺産』
* とにかく映像が鮮明で美しい。どのシーンも無駄がなく、写真や絵画のように完成度の高く、独特な成り立ちのメディアとなっている。映像が鮮明なので、それぞれが見たい情報を、能動的に得られる。
* 映像がきれいということに加えて、解説が素晴らしい。自然遺産では地形や植生の成り立ちが、文化遺産では歴史的背景がよく説明されており、知的好奇心を満たしてくれる。
『情熱大陸』
* 素晴らしい番組であることは認めるが、そろそろ「ネタ切れ」感及び息切れを感じる時期に突入した。そろそろ「大改革」が必要かと思う。
2.情報系番組
『あさチャン!』
* ずっと好きで見ていたので、MCの夏目三久さんが辞めたのはとても残念だった。最終回は夏目さんの引退挨拶の時間が残らず、落胆と怒りの終焉となってしまった。
『ひるおび』
* 1つのテーマについて時間をかけて深掘りしており、コメンテーターも専門的視点から適切なコメントを加えていると思う。
『がっちりマンデー』
* 毎回よく取材されているな、と感動する。
* 独自路線で取材しており、他の経済番組とのかぶり感はなくなってきた印象がある。
『サンデーモーニング』
* MCの関口宏さんはじめ、コメンテーターのみなさんも、慣れていて安心感はあるが、少し変化があってもいいような気がする。
* 看板番組だが、関口さん、張本さんが年を取り、ちょっとマンネリ化してきたように思う。現政権に忖度なく、是々非々でものをいう番組は必要なので、ぜひ頑張ってほしい。うまく世代交代してほしい。
『サンデージャポン』
* レギュラー陣はもとより、爆笑問題はゲストの個性を引き出すのもうまく、視聴者も出演者の一人ひとりと関わっているような身近な感覚を持てるのは良いと思う。
『サタデープラス』
* 視聴者のニーズに答えることに徹したものすごく割り切った作り方で、気持ちよく見続けられる。バラエティの形ではあるが、司会者は場を仕切らず、ゲストも自分にとってどうかというコメントが多く、商品の宣伝といった押しつけがましい面がないのは好ましい。
『THE TIME,』
* 安住紳一郎アナウンサーのバラエティ的に相手に対し突っ込むトーク展開を、朝から耳にするのは正直違和感がある。一方で7時からのニュースの深堀は的確で参考になる。当番組は長い時間視聴者が見るものではなく、時間帯で展開されていく各テーマを視聴者自身が選び視聴すべきと自己整理している。
3.ドラマ番組
『俺の家の話』
* 自分はこれまでどう親に接してきたのか、いつか認知症になる親に自分はどう接していくのか、考えずにはいられなかった。能という「伝統と型」の世界に巻き込まれ、反発しあった人々たちの人間臭さが描かれていたが、プロレスも能も、人を喜ばせるために努力する。その過程が人を成長させる。成長が芸に厚みを増すという循環を、ドラマとして見せてもらった。
『天国と地獄』
* サスペンスということもあり、毎回番組が終了直後からネット上で番組に対する意見の表明であったり、「犯人は誰だ!」といった推測記事が多数書き込まれた。これまでネットとテレビは対立競合関係にあったように理解していたが、未来展望的には「コラボレート」できる関係性を担保できるように感じた。キー局ならではの「強み」ではあるが、ネットとの親和性の中で独自の存在意義を示していただきたい。
『ドラゴン桜』
* ドラマはほとんど見ないが、全話を通して見たのは昨年の半沢直樹以来。東大合格を目指すという単純なストーリーであるが、主役の阿部寛に加えて、生徒たちも個性豊かであり、毎回飽きさせないドラマになっている。発達障がいの生徒も特定の分野については飛び抜けた才能を持っていることがうまく表現されており、障がい者理解にもつながる。
『東京MER 走る緊急救命室』
* 医療現場における「スピード感」を、番組の構成の中でアピールできていた点は大変よかった。医師の「理想像」を、主人公喜多見医師の果敢な行動と人間性を通じて描き出し、視聴者を釘付けにした演出は見事だった。
『日本沈没-希望のひと-』
* 日本を代表するSF小説の再ドラマ化ではあるものの1974年の前作とは時代背景も大きく異なり、また昨今の大規模な自然災害が相次いで発生している状況を鑑みると極めてリアリティのある番組に映った。香川照之氏の「やり過ぎ感」が「半沢直樹シリーズ」と被るものの研究者としての拘りと信念を彼なりに表現していると感じている。今後の展開が楽しみなドラマ番組だ。
4.バラエティ、その他番組
『バナナマンのせっかくグルメ!!』
* この番組は毎週楽しみにしている数少ない番組だ。地方の美味しいグルメを地域住民目線でフォーカスを当て、地域住民・有名芸能人参加型の新しいタイプの番組で他にないユニークな番組だ。バナナマンの日村氏は人を攻撃して笑いを取るタイプの芸人ではないので素人さんも接しやすいのだと感じている。
* 見ている人も多く、その曜日の祖の時間帯のバラエティに風穴を開けるものと期待する。地域創生的な面もあり、それを見て実際お取り寄せをしたものもある。
『所さんお届け物です』
* タイトルがいい。宅配便でモノが届く時のワクワク感が伝わる。その地方や職人さんの創意工夫をお届けモノとして紹介するのは、シンプルでわかりやすい。
『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』
* コロナ禍の影響もあり、新規の撮影が難しく過去のVTRを活用した番組構成になっていることが多く感じる。しかしながら、逆に「もう一度見たい!」とか「懐かしい!」プレイバック効果とも言える有意義な番組になっている。
『マツコの知らない世界』
* ピンポイントにマニアックな知識が深められ、新しいことを知れるのがおもしろい。
【出席委員】
委員長 上田恭己
委員 安喰哲哉
委員 尾﨑米厚
委員 角谷陽子
委員 長岡秀樹
委員 山口美紀
【書面による出席】
副委員長 足立珠希
副委員長 木村隆之